C-⑧ 心臓性神経衰弱

 

L-③ 淋  病 
「此病気は、不純な性交後二、三日位経て、尿道に不快を感ずるのであります。最初はムズ痒く、次は、排尿の際痛みを感じ、尚進んで耐えられぬ激痛を感ずるもので、相当の発熱もあります。そうして、悪化するに従ひ、盛んに白色の膿が尿に混って出るので、其際コップに採って見る時、濛々として煙の如く不透明であります。

 

 発病後、普通一週間目位が最盛期で、それを過ぎると、漸次、快復に向ふものであります。そうして此病気は統計上、飲酒家に多いので、世間よく「下戸は梅毒、上戸は淋病」と謂ふ言葉がありますが、そういふ傾向のあるのは事実であります。治療の場合、触指は不可能でありますから、霊的施術のみでいいのであります。急性は速かに治りますが、慢性は相当の時日を要するのであります。

 

 元来、淋病なるものは、一度罹病するや、医学上でも終世全治せぬものとされてゐますが、之は事実であります。勿論、黴菌(バイキン)に由る伝染ですが、全治したやうでも、実はその黴菌は死滅するのでなくて、活動力が衰耗したのであります。それは、繁殖力と伝染力を失ってゐるに過ぎないので、言はば、有機的動物性から、無機的植物性に変化したのであるから、何時、飲酒其他の不純性動機によっては、有機性に還元し、再発しないとは言へないのであります。慢性になり易いのは此理に由るからであります。

 

 之等花柳病は、霊的に言へば、不純行為に対する-"天の警め"とも言ふべきものであるから、患者は其非を自覚し、再びせざるべく悔悟する、其精神が治癒を速かならしむる力は、予想外大なるものがあります。そうして、尿道疾患であるから、出来るだけ水分を飲み、排尿を数多くするのが、洗滌的効果があるので、其際、松葉を枝共(エダゴト)煎じて服用すれば特にいいのであります。それは、松脂の成分が、菌の巣窟へ対し、パラフィン紙で密閉するやうな作用をするからであります。そうして此病気は、移行する性質のものであるから、其点大いに注意すべきであります。それは摂護腺炎、睾丸炎、膀胱疾患等にまで及ぶからであります。

 

 最盛期を過ぎるに従ひ、尿中に淋糸と名付くる木綿糸位な膿糸があり、それが漸次短くなりつつ治癒するのであります。併し全治後と雖も、数年は多少の淋糸を見るのであります。軽症で二、三週間-重症で一、二ケ月かかります。」  (「淋病」療講  S11.7.)




「此病気(関節炎)は、浄化作用による水膿溜結の為と、淋病の予後又は慢性淋病の罹病中に発生するものとあるので、症状としては、腕又は脚部の関節部に激痛を起し、相当発熱腫脹することもあるのであります。」       (「関節炎」療講  S11.7.)




「(中略)淋毒に因る尿道疾患は、淋病の治療法と同じく、尿を頻繁にして、尿道を洗滌するのが一番いいのである。」 

 

              (「婦人病」明医二  S17.9.28)




淋病は梅毒よりも悪性である。何となれば根治する事は不可能であるからである。故に淋病治癒とは実際上の治癒ではなく、再発の危険がなくなったといふ意味である。之は如何なる訳かといふと、淋菌即ちゴノコッケンは生物で、有機物であるが、人体の抵抗力が増すに従ひ、漸次衰弱して無機質即ち一種の苔の如きものとなる。

 

然るに此苔は飲酒、運動、発熱、其他の刺戟によって有機物に変化する事があるので、それが再発といふ訳で、之は概ね短期間に治癒するのである。又右の苔が長年月後増殖する人があるが、それが為尿道狭窄を起し、排尿に支障を及ぼす事がある。そうして医療は淋病に対し、漏膿時尿道内へ薬液を注入するが、それが為淋菌を深部へ押込む危険があるから注意すべきで、其結果として往々摂護腺炎(セツゴセンエン)や睾丸炎等を起し、発熱、痛み等に苦しむのである。

 

そうして淋病と雖も自然療法が効果あるが、それは水分を出来るだけ多く摂取する事で、これによって尿の排泄が頻繁となり、自然尿道を洗滌する事になり、危険もなく、治癒も速かである。特に松葉を煎じ、それを飲むと一層効果がある。何となれば松脂の成分が淋菌の巣窟を閉遮し、繁殖を阻止せしむるからである。本医術によれば淋病、摂護腺炎、睾丸炎は容易に治癒するのである。」 

 

                (「花柳病」天  S22.2.5)

 

            (※「花柳病」明医二  S17.9.28類似)




「(中略)淋病の淋菌「ゴノコツケン」は動物性の時は伝染するが、時が経つと菌が苔のように植物性になると伝染しない。これが酒などのむと又動物化するのである。」 

 

        (「こんにやくに就て」教えの光 S26.5.20.)




「(中略)又神経痛の中には、淋病が原因で発る事もある。之は大抵腕の関節に多いが、割合順調に治るものである。」 

 

          (「神経痛とリョウマチス」文創  S27.)




73歳、10年前より尿道狭窄、昨夏より腰痛、尿を垂れ流し、臍の直ぐ下が瘤の様に隆起・・・

 

 狭窄は昔淋病をやった人にある。淋菌は絶対なくならぬ。尿道へ向って浄霊すれば少しづつ溶けて、小便になって出る。特に腎臓をやる。腎臓が働きだせば訳なく治る。」 

 

               (「講話集補」  S24.1.23.)




《浄霊》 患部、膀胱部、腎臓部