E-④ 腸に関する病気 ④-4,腹 膜 炎
「(中略)お腹を手や指で圧すのですが、吾々の経験から言ふと此圧診が一番良いので、之はお腹ばかりでなく何所でも圧診する必要があります。何故なれば、例へば腹膜炎などの場合、其原因は多く腎臓や肝臓にあるのですから、此、肝腎の部を圧して病原を発見するのであります。」 (「患者取扱」療講 S11.7.)
「之は、水が溜るのと、膿が溜るのと二種あります。此点丁度、肋膜と同じやうであります。そして膿が溜る方がズーと治りいいんであります。膿の溜ったので随分酷いのがありますが、割合順調に治るのであります。そうして今日、大抵の人は極軽い腹膜炎に罹ってゐるものであります。それは臍の周囲を圧してみて痛くないといふ人は滅多にありません。其所の痛い人は必ず腹膜へ膿が溜って固まってゐるのであります。
水の溜るのは、早期ならよく治るんですが、相当日数を経たものは、容易に治らないのであります。原因としては、肝臓の周囲へ水膿溜結し、その為、腎臓が圧迫されるから、尿が溢出して腹膜へ溜るのであります。相当溜って時日を経過したものは、深部が化膿して固まってゐるので、斯うなったのは殆んど不治とも言ふべきであります。
そうして、最も悪性なのは、肝臓癌が原因での腹膜炎で、不治であります。ですから、腹膜患者は、肝臓部が痛むかを査べる必要があります。押してみて痛めば、肝臓からの腹膜炎であります。肝臓が尿素を腎臓に送る場合、癌の為、腎臓への送流を遮られる結果、肝臓から直接腹膜へ尿素を溢流するのでありますが、腎臓からの尿は稀薄ですが、肝臓からのは濃厚である。それが為重症である訳であります。
又利尿剤を続用したものは逆作用が起っておりますから、非常に執拗で治り難いのであります。
腹膜炎は、よく肋膜炎を併発する事があります。又肋膜炎から腹膜炎に移行する事もあります。
腹膜のひどくなったのは随分大きくなります。臨月の腹の大きさよりもっと大きくなります。よく破れないと思ふ位であります。
又、卵巣が腫脹して、腹膜炎と同じやうな症状になります。之の悪性は極端に膨脹し、終に破裂する事がありますが、破裂すれば、汚水が排泄されて速かに治癒するのであります。此際医療による切開法も効果があります。」 (「腹膜炎」療講
S11.7.)
「熱の出る所は、股及び毛の所、右に限る。左は少い。特に毛の生え際に多い。これから咳と熱の出る事あり、喘息などもこれが多い。腹膜の熱なども殆んどこれをやればいい。」
(特別講習会御講話 S15.11.9)
「(中略)腹膜炎は、肋膜炎と等しく湿性及び化膿性の二種あるが、乾性はない、勿論腸を包囲せる膜と膜とに間隙を生じ、尿又は膿が集溜するのである。原因治療其他は肋膜炎と略(ホ)ぼ同一に付略す。」 (「肋膜及び腹膜炎」天 S22.2.5.)
「(中略)湿性腹膜炎に於ける膨満も、化膿性腹膜炎の膿結も、背面腎臓部を治療する事によって奏効するのである。其他心臓、肺、胃腸に関する疾患も、凡て背部を主に治療すべきである。」
(「治療に就ての注意」天 S22.2.5.)
「(中略)便秘は非常に多い症状で、且つ長期に渉って苦しむが、此原因は腹膜部に毒結があり、それが直腸を圧迫する。その為糞便が直腸管を通過し難い為で、之等も毒結溶解によって容易に治癒するのである。」 (「冷へと便秘」天 S22.2.5.)
「(中略)利尿剤の逆作用も注意すべきものである。彼の腹膜炎患者の腹部膨満に対し医療は必ず利尿剤を用ふるが、一時は尿量を増し膨満は減退し、軽快又は殆んど治癒したとさへ思ふ程になるが、それは一時的であって、例外なく再び膨満する。又利尿剤を用ひると軽快する、復悪化する、又用ふるといふ訳で漸次利尿効果は薄らぎ、畢に薬効は皆無となり、頗る頑固なる腹水病となるのである。」 (「既存療法」天 S22.2.5.)
「次に腹膜炎(別名腹水病)は、肋膜と同様腹膜と今一つの膜との間に水が溜って、頗る膨大になるものである。処が医療は穿孔排水方法を採るが、之が非常に悪く、排水すると一旦はよくなるが、必ず再び水が溜る。すると又除る、又溜るといふやうに癖になるが、困った事には溜る期間が段々短縮され、量も其度毎に増へて行くので、何回にも及ぶと益々膨大、臨月の腹よりも大きくなるもので、斯うなると先づ助かる見込はないのである。此原因は萎縮腎であるから、萎縮腎を治さない限り全治しないのは勿論である。」
(「肋膜炎と腹膜炎」文創 S27.)
「(中略)便秘の原因の第一は、食餌の少ない事と腸に浄化熱があるから乾く為等で、斯ういう人は腹に幾つかの固まりがあり、之が直腸を圧迫するからでもあって、此部を圧すと痛みと固結があり、微熱があるからよく分る。之に猛烈な浄化が発って、高熱激痛があると急性腹膜炎と言われるが、平常から時々発熱、痛み、下痢があるのは慢性腹膜炎である。之を医診の多くは腸結核というのである。」 (「結核附随病」結信 S27.12.1.)
「(中略)腹膜炎であるが、之は腎臓の周囲に出来た固結毒素圧迫の為、尿の処理が不活発となり、其余剰尿が腹膜に溜るのである。之も急性は膨満するが、慢性は極く僅かづつ溜って固結し、急激に浄化が起る場合、高熱、激痛が伴ふので、医診は急性腹膜炎として大病とするが、両方共浄霊によれば割合簡単に治るのである。(中略)」 (「眼、耳、鼻、口」医革
S28.)
「(中略)それと、以前は下痢というと腹の――腹膜です。慢性腹膜という様な固まりが多かつたのです。近頃の下痢というのは殆ど頭の浄化が多いのです。之からは下痢の患者は頭を浄霊するという事を良く心得ていると良いです。」
(「御教集13号」 S27.8.7.)
「腹膜炎は腎臓が大切、その外は背中の真中をよくやる。腹膜炎で黄疸を併発すると大抵助からない。」
(「御光話録」 S23.1.28.)
「腹膜炎で黄疸をやると、黄色の水と腹水と一緒になって溶けにくゝなるから、黄疸を併発したら駄目です。化膿性腹膜炎は小便がたまり、やがてそれが膿になるんです。腹膜炎は水の溜まらぬ様に腎臓をよくやる。殊に右を主にして、重ければ一日五、六回以上やんなさい。腎臓をやる時はフトンかタタミをやる様な気持で狙ふと、霊が腎臓に集中しますよ。」 (「御光話録」S23.1.28.)
「(湿性腹膜炎患者、月一回一升位の水を取っていたが、腹が肥大して来た・・・)
水をとるのは一番いけない。水をとると段々溜る様になるんです。一回か二回位水をとったのならいゝが、始終とってゐたのは駄目ですね。生命の方はうけ合はない事ですね。まあ苦痛をなくすためにこれからも取ったらいゝですが、然しもう駄目です。」
(「御光話録3号」S24.1.28.)
「(中略)腹膜ではないんですか?よく見てごらんなさい。腹膜だったら腹部がなだらかにふくれてますが、(卵巣)膿腫だったら急にふくれてますよ。」 (「御光話録5号」S24.3.13.)
「(中略)小便が溜るから腎臓を圧迫する、圧迫するから溜る、全く「イタチゴッコ」ですからね。そして腎臓が圧迫されるから腹膜になるんですよ。だから誰でも腹膜が大なり小なり悪いですね。まあ、腹膜が悪くない人ってのは十人に一人もないですね。小便には薬毒がありますからね、とても悪いんですよ。」
(「御光話録6号」S24.3.)
「(下腹部が次第に膨れ始めて大変苦しくなり、浄霊によって段々楽に、昨今又五、六合の水が腹に溜る様に・・・)
之は毒の為ですね。こんな風に水が溜るので一番困るのは、水をとると必ず前より余計溜ることなんです。最初は一ケ月の間をおいて水を取ったのが、次には二十日、次には十五日で同じ位の水が溜る様になって、溜る期間が短縮し、溜り方が段々多くなって来るんです。
だから、幾度も水を取った人はどうにも仕様がないですね。取る癖をつけたらもう絶対駄目ですよ。肋膜の水だけは取ってもいゝ事がありますがね。この水は肺に浸潤する事があるんですよ。そうすると痰になって外へ出ますからね。
所が腹膜はね、腎臓から尿道へ行く道が塞がったり、尿の入口が塞がったりするのが原因で水が出ないんです。それは下腹部に毒があるからで、それをとるのが一番です。そしてその大元は腎臓ですよ。だから腎臓を浄霊して、それから膀胱附近を浄霊すればいゝんで、そうすれば治りますよ。
浄霊してると急に下腹部が腫れる事がありますがね、これは腎臓が働く様になって、膀胱で全部出せずに閊えるもんだからそうなるんですからね、やってる中に治りますよ。この人のは治るでせう。たゞ、あんた方に注意しときますが、腹膜で、水をとる癖をつけたのは手をつけない方がいゝですよ。」
(「御光話録9号」S24.)
「(中略)腹膜から目へ来る事も稀にある。」
(「講話集補」年代不詳.)
「(両淋巴腺部に固結を生じ食物が不進、音声は変化なく、喉頭結核と診断、注射その後、段々固結が多く腫脹し苦痛を感じる、急に発熱し四十度の高熱と下痢を伴い、37日間続き、漸次衰弱、現在三十八度程度の熱、食事は二杯ずつ三度・・・)
喉頭結核ではない。淋巴腺を固めたのであろう。声が嗄れるのは喉頭結核である。食欲不振は熱の為で、淋巴腺の腫れる人は必ず腹膜がある。固まる腹膜である。
熱が出て治りつつあり、ただその熱で衰弱する恐れがある。浄霊をドシドシして熱を除るといいが、斯うなった以上は固めても生命に係わる。実に厄介である。どっちとも言えぬ。」
(「講話集補」年代不詳.)
「(腹膜炎にて浄霊、毎日の様に洗面器に一杯位ずつ水を吐き、最近赤黒い毒血を前と同分量位吐き衰弱甚しく、現幽の境を彷徨している様な状態で、譫言等も時々・・・)
黒い血を吐くなどは結構である。背中と腎臓をする。」
(「講話集補」S24.11.17.)
「(お腹に妊娠四ケ月位の塊が、痛みも苦しみもない、霊的の原因は?)
生霊の場合がよくある。霊的の時は、臍から下膀胱附近が脹る。重苦しい。霊的でなく之は腹膜であるから、腎臓をよくする。腹部はそう浄霊の要はない。肩胛骨から背中である。」
(「講話集補」年代不詳.)
《浄霊》
1,腎臓、2, 膀胱附近及び股(右)、3,肝臓部及び肩胛骨から背中、
4,下腹部