D-② 肺の病気の急所
「先づ患者の肩胛部及び頸部を指頭にて順次探るべし。其際必ず大小のグリグリを発見すべし。其際左右何れかが多数又は大なるべし。其多大なる方の肺が病に罹りゐるなり。又肩胸の辺りに掌を当つれば、其熱気の度合に依って患部が何れにあるか及軽重を識り得べし。
又掌を胸部に宛てて深呼吸をさすれば、喘音を感ずるも、こは聴診器の診断と同一なり。又咽喉に喘音のある時、右側の場合に右肺を犯され、左側の場合は左肺を犯され、喘音大ならば、喀啖の量肺内に多く溜積され、喘音小なれば喀啖量小なる訳なり。
次に声帯異常(皺枯声)及び、食物飲下時に痛みを感ずるは、多くは末期に際し、濃毒素を含む喀啖が喉道を通過する際、其毒素に依って粘膜を破壊、若しくは腫張さるる為なり。
次に肺結核特有の食欲不振の原因は、(中略)胃部心窩(ミゾオチ)部より臍の附近迄を指頭にて軽く圧し見よ。さすれば強靭にして弾力性ある、膿の凝結せる如きものを発見すべし。そは余の推定に由れば喀啖の堆溜凝結せるものにて、余は之を仮に水膿と名付く。
此水膿凝結が絶えず胃部を圧迫しつつある故に、胃の運動を防ぐる事甚だしく、之が消化不良の原因となるなり。此の場合余は其水膿凝結を指頭より放射する霊光に依って溶解消滅さするが、する度合に応じて、食欲は漸次進みゆくなり。
是を以て結核患者の原因と目すべき部位は実に肺臓に非ずして、第一、肩胛部頸部のグリグリ、第二、胃部の水膿圧迫にして、医家が患部と目せる肺臓の個所は、其結果の現出部なるを知るべし。故に余は此の二点に意を注ぎ、此の二点を霊光療法を以て溶解消滅さするに於て、漸次快方に向ひ、第三期の患者にして全治せしめたる者多数あり。(中略)」
(「純日本医術の建設(一)肺結核」 S10.3.4)
「(中略)私は十七八歳の頃、肺結核を患い故入沢達吉医博から見放された事があった、其際死の覚悟を以て私は或事によってヒントを得たる絶対菜食を行ったのである、処が意外、病勢一変しメキメキと体力が復活し菜食三ヶ月にして病気以前より健康になったのである、その事あって以来、私は栄養学の全然誤謬である事を知ったのである、その後、私の血族の肺患二人まで、菜食療法で完全に治癒した事があった、勿論その頃は無信仰者であったから、ただ菜食だけで治った事は勿論である。」(「之を何と見る」 S24.7.9.)
「(中略)よく肺病で胸が悪くて肺から熱が出たというが、肺から熱が出るわけはありません。(中略)若し肺から熱が出れば肋間神経痛の場合です。之は圧すと痛いのです。息をしても痛いのです。肋間神経痛か肋膜です。肺自身から出ているのは肺炎です。
肺炎は一旦毒が溶けて肺に入って行くからで、結核は肺から熱が出る事は先ずないとみて良い。処が、信者の古い人はそうでもないが、新しい人は、肺病というと胸の病気の様に思って、胸ばかりやっているから、それで治らないのです。肺病というのは大抵肩からです。頸の廻りの病気が肺病と思って良いです。
というのは、此処から熱に依って溶けたものが肺に入るからです。それでお医者さんはラッセルやレントゲンで診て胸が悪いと言うのですが、そんな事はありません。頭から此処(頸の廻り)の毒が溶けて肺に入るのです。肺病という場合は胸は問題ではないのです。
但し肋間神経痛は此処に熱があるのです。之は痛いから分ります。それから肋膜の方は息をすると痛いのです。肋間神経痛は身体を動かしたり、又じっとしていても痛いのです。それで、骨を一寸圧してみると痛いから直き分ります。
それからよく喘息などで非常に強い咳が出ます。発作もそうですが、あれは肋膜の場合が多いのです。ですから喘息の場合は骨を圧してみて痛ければ、骨に絡(カラ)んだ毒が溶けてそれを引上げる為に強い咳が出ると思っていれば良いです。
その外に熱が出るのは腰ですが、之は微熱でそんなに強い熱は出ません。それから股から出る熱もありますが之も局部的で、全体に出るのは余程強い――横根か何かでなければ出ません。熱は大体今言った様で、それから頭の中心から肩と、その位知って居れば先ず熱は冷めます。
私は時々家族の者等をしますが、可成り酷い熱でもやっている内に冷たくなって熱が無くなります。実に早いです。それから後向きにして、こっちから浄霊しても良いです。兎に角此処(不明)が一番急所ですから……。」 (「御教集16号」 S27.11.17)
「(中略)肺病などにもよくありますが、肺病でどうしても熱が冷めないという事は大抵頭の熱です。ですから肺病の原因は肺にはないのです。肺は中間の機関です。頭から頸の廻りで肺病は大抵治ります。ただ肺は溶けた物が痰になって咳で出るという事になりますから、そこで衰弱しやすいのです。
衰弱という事は食欲が最も関係がありますから、食欲さえ多ければ百人が百人みんな治るわけです。浄霊するだけは毒が減って行きますが、ただ衰弱で参ってしまうので、そこで肩という事になります。(中略)
ですから肺病は胸の病と言いますが、表面に現われたのが胸だからそう思ってしまうのですが、そうではないので、体中の病と言ってもよいです。それは頸から肩から腹から背中から、溶けた毒はみんな一旦肺に行くのです。ただその場合、多く溜まっている所と少なく溜まっている所の違いはあります。
そこで肺病で一番多いのは頸の廻りです。ですから私は結核というものは頸の病だと言った方がよいと思います。又頸の廻りに溜まった毒というものは必ず熱が出ます。それが溶けて痰になるのです。だから人間、頸は非常に肝腎なものです。(中略)」
(「御教集24号」 S28. 7.16)
《浄霊》 頭全体、延髄、頸部淋巴腺、肩、脊髄、
横隔膜付近(胸、背中)、下腹部、
額、股、腰、肩胛部及び頸部、肩胸の辺りを探査
肺結核特有の食欲不振は胃部心窩(ミゾオチ)部より
臍の附近を探査
結核は第1、肩胛部頸部のグリグリ、
第2、胃部の水膿を探査