A-⑤ 脳 貧 血
「(中略)脳貧血とは其名の如く、脳の貧血であって如何なる原因かといふに、元来、人間の血液は、心臓に依って浄化される事は、今日迄の医学上の解釈であるが、実は、心臓ばかりで浄化するのではない、血液自体が循環運動をする、其運動其のものに由っても自然浄化をするのである。浄化の結果は、循環の速度を増すのであって、それが健康を増す事は、医学で説明の通りである。
然るに、血液浄化に因って其不純物が、自然滞溜する場所があるのである。其場所は主に頸部の周囲及び肩胛部なのである。頸部一帯特に、延髄に、汚血滞溜する時は、身体より頭脳に送るべき血液通路である血管が圧迫さるるを以て、頭脳が要すべき、血液の量を送る能はず、従而血液に不足を来すのである。
之が即ち、脳貧血であって、症状としては頭痛及び、頭脳の圧迫感、眩暈(メマイ) 、耳鳴り、蓄膿症、眼の翳(カス)
み等の外、反射作用に由る胃の不快と嘔吐感、陰欝、世に、神経衰弱と称する症状である。大体以上の如くであるが、之は、余が浄血療法に依る時は容易に快癒するのであって、其治療日数も、普通は一週間位、重症にて二三週間もあれば、確実に全癒するのである。長年の神経衰弱が一二回の治療にて、全癒せし事も屡々ある。」
(日本医学の建設(三)「脳疾患」
S10.7.25)
「次に、脳貧血に因る頭痛は右とは反対であって、頭脳に血液が欠乏して痛むのであります。之は頸腺附近に水膿溜結し、頭脳への血液送流を妨げられるからであります。後頭頭痛も、毒血又は貧血孰れかが原因でありますが、それは触査すればよく判るのであります。本療法に依れば、軽症で二三回、重症で二三週間で全治するのであります。」 (「頭痛」療講 S11.7.)
「(中略)脳貧血は首のまわりの膿。脳貧血が脳溢血になる場合もある。脳神経衰弱もそうである。これは後の毒の方が多い、脳天に血が不足すると寝られぬ。五感は小脳、考へるのは脳天、頭に血が少くなると元気がなくなる。」
(「特別講習会御講話」 S15.11.9.)
「茲で、脳貧血に就て一応説明しておかう。之は扁桃腺炎に関係があるからである。それは仮に、頸部淋巴腺に集溜する毒素が、その排泄口である扁桃腺が失(ナ)いとしたならどうなるであらう。それは其儘淋巴腺附近に停溜固結する。その固結が頭脳に送血する血管を圧迫するから、頭脳の血液が不足する。それが脳貧血であり、神経衰弱でもある。頭脳が朦朧として圧迫感や不快感等の患者が、近年非常に多いのは全く右の如きが原因であることも尠くないのである。」 (「扁桃腺炎、盲腸炎、手術」明医二 S17.9.28)
「(中略)脳貧血が強度に発生する時必ず嘔吐を伴ふものである。此際額に掌を触るれば氷の如く冷へ、膏汗(アブラアセ)を掻き、顔面蒼白を呈するので、脳貧血を確認するのである。此際頸部及び延髄部を探れば必ず固結がある。その固結を溶解施術すれば速かに快癒する。その訳は固結の圧迫が消へ、血液が頭脳に流通し得るやうになるからである。」 (「不快感及び嘔吐」天 S22.2.5)
「(中略)脳貧血は、人も知る如く頭重、頭痛、憂欝、首肩の凝り等の症状あり、人混みや騒音等何等かの刺戟によって発作する。発作するや顔面蒼白、嘔吐、痙攣、眩暈等あり、甚しきは人事不省となる事もある。此際額に掌を触るれば氷の如く冷へ、首の周囲を指査すれば必ず固結を認めるから、それを溶解すれば速やかに治癒する。
又脳貧血発作は苦痛様相の甚しき為、本人も周囲の者も驚くが、決して致命的ではなく必ず恢復するものである。(中略)脳疾患に就て知って置くべき事は、重軽を知る方法として嘔吐の多少による事が最も確実である。ただ脳貧血のみは此例外である。」
(「脳疾患」天 S22.2.5)
「次に脳貧血をかいてみるが、之は脳溢血と反対であって、脳溢血は毒血が頭脳に入り、脳の血液が増へるに反し、之は脳の血液が減少の為発る病気である。では何故減少するかといふと、人体は絶へず頭脳に向って、送血されてゐるので、之が一定量なら何事もないが、其量が減ると頭脳機能の活動が鈍る。それが脳貧血である。
右の如く量が減るといふ事は、頭脳へ送血する血管が、頚の周りにある毒結の圧迫によるからで、此固結を溶解しなければ治らないのは勿論である。処が医学ではそれが不可能の為、一時的姑息手段をとるより致し方ないのである。
斯様な訳で脳貧血の症状は頭痛、頭重、圧迫感、眩暈等で、嘔吐感を伴ふ場合もあり、本当に嘔吐する事もある。中には汽車、電車、自動車の音を聴いただけでも、眩暈や嘔吐感を催す者もある。然し之は医学でもいふ如く、割に軽い病気で心配はないが、其割に苦痛が酷いものであるから、初めの内は相当神経を悩ますものである。
此病気を知るのは最も簡単である。発病するや目を瞑り、額に油汗をかき、嘔吐感を催す等で、其際掌を額に当てて見ると、普通より冷いのでよく判るのである。そうして浄霊の場合、首の周囲を探ってみると、必ず固結があるから、そこを溶かせば間もなく快復する。又発病するや枕無しで仰臥すると、頭へ血が流れるから多少の効果はある。今日最も多いとされてゐる神経衰弱も、脳貧血が原因である事は言ふ迄もない。」 (「脳貧血其他」文創 S27.)
「睡眠不足とよく言はれるが、之は結果であって、睡眠困難といふのが本当であらう。然し之も病気とは言へないが、病気の原因になる事が大いにあるから、仲々馬鹿にはならないものである。此原因は全く一種の脳貧血であって、延髄部に固結が出来、それが血管を圧迫し、脳貧血を起させ、睡眠不能となるのであるが、此固結は右側の方が多く、左側は少ないもので、之を溶かす事によって百発百中必ず治るのである。
処が此原因である脳貧血は、前頭部に限るので、何故それが睡眠困難の原因になるかといふと、其部に霊が憑依する為であって、之に就ては最後の霊の項目に譲る事とする。然し此病気の恐ろしい事は、往々精神病の原因になるので、急速に治す必要がある。医学では勿論原因すら不明であるが、何よりも精神病の初めは、必ず睡眠不足が長く続くのである。従って睡眠が普通になると、治り始めるにみても分るのである。」 (「睡眠不足」文創 S27.)
「(中略)此脳貧血の原因といへば曩に述べた如く、首の周りに毒素が集溜し易く、それが両延髄及び淋巴腺附近に固結するので、其固結が血管を圧迫する為、頭脳へ送流される血液が減るからである。」 (「精神病と癲癇」文創 S27.)
「(中略)慢性頭痛、頭重、眩暈、朦朧感、圧迫感等の症状もあるが、之にも二種ある。脳貧血と其反対である頭脳の微熱であって、之は触れば前者は冷たく、後者は熱いから直ぐ分るし、どちらも嘔吐感を伴ふ事がよくある。勿論原因は首の周りの固りが、脳の血管を圧迫するのが脳貧血であり、浄化熱が別の方である。此様に浄化にも固るのと溶けるのとの両方あるから、之は充分知ってをく必要がある。(中略)」 (「脳疾患」医革 S28.)
「(中略)目の奥が痛く――脳貧血ですね。延髄部に固まりがありますよ。(中略)」 (「御教集3号」 S26.10.5.)
「(中略)脳貧血――こう言う人は、こゝ(後頭部)にあつて、之(咽喉)にあります。毒の固りがね。然し、普通の脳貧血でなく、こゝ(咽喉)の浄化熱が起ると、この熱がこゝ(前頭部)に来て眩暈が起ります。之(咽喉)と、之(延髄)だから、之をすつかり浄霊すれば治りますよ。」 (「御教集4号」 S26.11.11.)
「(中略)脳貧血と言うのは、ここ(頸部)に固まりがあります。溶けて来ると――熱が出て溶けるんだから、そうなるとぼつとするんです。それから眩暈ですね。頭が重い、ぼつとするのは、ここ(頸部淋巴腺)を見て御覧なさい。熱があつて、固まりがある。元は頸の廻りですね。心臓にもある。それをやると、治りますよ。(中略)」 (「御教集5号」 S26.12.6.)
「(中略)脳貧血は絶対に死ぬものじやないですね。」
(「御教集6号」 S27.1.25.)
「脳貧血である。右頸部に毒結がある。延髄は右が多い。」
(「講話集補」 S24.1.28.)
《浄霊》 後頭部、延髄(右が多い)、首の周囲、頸部淋巴腺、 咽喉部、肩、
上記の熱や固結のある所