〔不 快 感〕
「(中略)不快感は、薬毒集溜個所に微熱があるから、局部的又は全身的に悪寒があるので、常に普通以上寒がるのである。又、何事を為すにも億劫(オックウ)がり、寝る事を好み物に倦(ア)き易く長く一つ事に携はる事が出来ないのである。そうして物事の解釈は凡て悲観的となり、常識を欠き、陰欝を好み、従而、晴天の日より雨天の日を好むのである。
又腹立ち易く、甚だしいのは自暴自棄的になったり、又常にクヨクヨとして、些かの事も気にかかり、ヒステリー的ともなり、自分で間違ってゐる事を知りながら、どうする事も出来ないといふ状態で、又それを煩悶するといふ事になり、最も甚だしいのは厭世(エンセイ)的となり、廃人同様となる人さへある。
一家に斯ういふ人が出来ると、他の者まで影響を受けて、家庭は暗く、争ひの絶間がないので、人生の幸福を得る事は到底期し難いのである。(中略)」 (「薬毒」明医一 S17.9.28)
「(中略)そうして不快感なるものを分析する時他動因と主動因とあり、他動因とは偶発する処の悪事情であるが、(中略)此主動的不快感は、普通事情までも悪事情化する恐れがある。事実常に不平不満、後悔、愚痴等を連発する人は此種の人で、又此種の人は自己反省がなく、不平不満の原因を他動的に解釈し勝ちである。
その表はれとして人を怨み、社会を呪ひ、排他的観念に陥り易いのである。彼の共産思想が個々人の不幸の原因が或程度自己の罪にもある事を閑却し、社会事情に因るとなし、それを闘争によってのみ解決出来得るとする所以も此処に在るのであると共に、資本家の横暴も亦愛の欠乏に由る事は勿論である。
此意味に於て(中略)その不快感の除去こそ問題の根本的解決であらねばならない。然るに、それは本医術によってのみ解決なし得るのである。何となれば不快感の原因が薬毒であり、薬毒保有者は常に身体の何れかの部分に浄化発生があり、其為であるからである。(中略)」 (「結論」天 S22.2.5)
「茲に不快感といっても一様ではない。重なる症状を記せば嘔気、痙攣、船車の酔、憂欝感等であらう。そうして最も多いのは嘔気である。此原因は脳貧血に因る胃の反射作用と高熱、食物中毒、薬剤中毒、溜飲、幽門狭窄、姙娠の場合等である。
脳貧血が強度に発生する時必ず嘔吐を伴ふものである。此際額に掌を触るれば氷の如く冷へ、膏汗(アブラアセ)を掻き、顔面蒼白を呈するので、脳貧血を確認するのである。此際頸部及び延髄部を探れば必ず固結がある。その固結を溶解施術すれば速かに快癒する。その訳は固結の圧迫が消へ、血液が頭脳に流通し得るやうになるからである。
又高熱による頭脳浄化の場合、脳貧血と等しく胃の反射作用を起し、嘔吐の原因となる事もある。
食物中毒は食物中の毒素を体外に排泄すべき浄化作用であり、多くは下痢が伴ふものである。
悪阻(ツワリ)は胃の外部に滞溜凝結せる毒素が子宮の膨脹によっで外部へ排泄されんとする為であるから、此の毒素を溶解排除する事によって容易に治癒するのである。(中略)」
(「不快感及び嘔吐」天 S22.2.5)
「(中略)何となれば精密に診査すると、頭脳全体から肩部にかけて必ず微熱があり、軽度の頭重、頭痛、眼脂、鼻汁、耳鳴、歯槽膿漏、頸肩の凝り等の自覚症状は必ずあるものであるから、之が為に絶えず一種の不快感がある、此不快感こそ曲者である、即ち此原因によって怒りとなり、怒りの具体化が争いとなり、争いの発展が戦いとなるのであるから、人類から闘争心を除去する手段としては、此不快感を除去する以外他に方法は絶対ないのである、此理によって誰しも感ずる事は、同一の事柄であっても爽快感の時は何とも思わないが、不快感の時は憤怒を禁じ得ないので、此経験のないものは殆んどあるまい、(中略)
以上の如く、争いの根源は頭脳と首肩附近の毒結の浄化熱とすれば、それを全治させる事こそ唯一の解決の手段である、(中略)其他不快感から免れんが為、不知不識強烈な刺戟を求めようとする、それが飲酒、淫蕩、怠惰、争闘等の犯罪発生の結果となるのは勿論である。(中略)」 (「大三災と小三災」 S24.8.13)
「(中略)私がいつもいう通り薬は毒で、身体へ入れると血が濁る。血が濁れば霊が曇る、霊が曇ると人間は不快感が起る。此不快感こそ曲者(クセモノ)で、此結果どうなるかというと気が焦々し、怒り易くなるから、どうしても争う事になる。何よりも人間は気持のいい時は、少々変な事を言われても笑って済ませるが、此方が気持の悪い時は、僅かな事でも遂腹が立つ、というように人間は気持次第で明るくもなれば暗くもなる。
処が此気持という奴運不運にも大いに関係があるのだから、軽くは見られない。というのは人間生活上、感情位重要なものはない。例えば夫婦が別れるのも、親子兄弟の争いも、友人同志のいざこざも、酷いのになると失業の原因となる事さえある。(中略)而も近代人は矢鱈に薬を服んだり注射をしたりするので、益々病気が殖え、不快感の人間が多くなる。(中略)そんな訳(中略)犯罪の原因は人間の不快感であり、其又原因が薬剤である。(中略)」
(「罪の因は薬」 S27.2.6)
《浄霊》 微熱のある所、天地、
〔嘔 吐(おうと)〕
「(中略)嘔吐下痢は、毒素を排除する工作であり、咳嗽は気管の浄掃及び汚物(喀痰)の、排除作用である。(中略)」
(「対症療法による病気悪化」 S11.1.25)
「(中略)すべて脳に関した病気の軽重を知るには嘔吐が一番確実である。」 (「脳疾患」明医二 S17.9.28)
「(中略)即ち薬剤中毒に因る嘔気は、薬液が胃の粘膜から一旦吸収されて、胃の周囲に浸潤滞溜したものが、時日を経て毒素となって胃に還元し、胃中に凝結する。それが浄化作用によって溶解し、嘔気を催し嘔吐するのである。其際嘔吐の液が服用した薬剤の臭ひがするのである。
次に、溜飲は胆汁の排泄であるが、之は、不断に胃中に流入しつつある胆汁が、食物の停滞又は薬剤の妨害に遇って、消化を援けるといふ役目に支障を来し、排泄嘔吐するのである。
次に、幽門狭窄に因る嘔吐は、胃によって消化されたものが腸に流下する場合、狭窄の為通過し難いので、逆に上方に戻らうとする。それが嘔気となるのである。故に、此症状は固形物は不可であるが、流動物なら嘔気が起らないにみて瞭かである。それは、幽門狭窄に因る流下孔が狭くとも、流動物なら通過するからである。」
(「不快感及び嘔吐」明医二 S17.9.28)
《浄霊》 頭、肩、背面胃部等を始め、病気症状によって 急所を発見する。
〔船、車の酔について〕
「之も一種の病気であって、割合多いのであります。原因としては、胃の周囲に滞溜せる水膿が動揺の為胃中に浸潤し、不快、嘔吐感又は嘔吐をするのであります。胃部より乳部辺までを指圧すれば、痛み又は重圧感のある個所がそれであります。本療法によれば、軽症は二、三回、重症は五、六回にて全治するのであります。」 (「船車の酔」療講 S11.7.)
「船車の酔は、胃の外部に毒結あり、それが動揺によって少しづつ溶解、胃内に滲透する為である。(中略)」
(「不快感及び嘔吐」天 S22.2.5)
「(船車の酔)横隔膜の下に毒がある。」
(「講話集補」 S24.5.13.)
「(船車の酔)胃の後の部を浄霊すると治る。」
(「講話集補」 S24.10.8.)
《浄霊》 不快感:微熱のある所、天地、
嘔 吐:頭、肩、背面胃部等を始め、病気症状に よって急所を発見する。
船車の酔い:胃及び横隔膜の前後、下、横等