7-⑤ 毒素集溜の経過と排泄の順序
「(中略)元来人間は上部即ち頭部、頸部、肩部附近に滞溜する毒素は主に後部でありますが、絶えず鼻耳口などから排泄されよふとしてゐる。それは後方には穴がないから、孔のある前の方へ流動するのであります。それの表れとして、眼を使ふ時は眼へ毒素が集溜され眼病になるのでありますが、実は其際の眼は、毒素排泄の役目を遂行せんと一時自分の家へ集溜さした様なものでありますから、時日の経過によって目脂等で排泄され浄化されるのであります。(中略)」 (「眼病」療講 S11.7.)
「(中略)腎臓部より下方に向って腰骨部まで毒結は移行してをり、特に腰骨に接触して毒結のある場合、多くは脚部に異状があるもので、之を溶解すれば、よく治癒するのである。(中略)」
(「本医術の施法」明医二 S17.9.28)
「(中略)それからもう一つ知つて置かなければならないのは、こう(御浄霊)やると直きに咳が出、痰が出ますが、あれは溶けた毒が肺にいくんです。処が肺にいかないで胃にいくのがある。よく浄霊した場合に――頭をやると頭は大変気持良くなつたが、胸がムカムカするというのがある。
それは溶けた毒が胃にいくので――之は大抵下痢になります。そういう時に胸がムカムカする。其時には鳩尾を狙つてやる。そうすると、胸がムカムカするのは直きに良くなります。頭が良くなつたのに胸がムカムカする。可笑しいなという事がよくありますが、今の理窟を知れば何でもない。(中略)」
(「御教集10号」 S27.5.17)
「(中略)婦人関係の病気もやっぱり頭が一番原因になっているのです。それで頭の毒が溶けて下に下がった場合、男の方は多く痔の方に行くのです。脊柱附近からずっと下がって行くのです。女は尾底骨(ビテイコツ)附近に溜まって、前の方に行くのです。ここが男と違うところです。それで女のコシケとかいろいろなもの、掻痒症とか、粘膜にカタルと言いますかオデキのようなのが出来るのは、頭の毒が一旦腰の方に行って、それが前の方に行くのです。
ですから子宮が悪いというのは実は頭に原因があるのです。外の毒素もありますが、頭の毒素が一番下りるのです。そうして前からが出よいから、みんな集まってしまうのです。そうして一旦此処で溜まるのです。その溜まったのも早く溶かさなければならないというのですから、そこを目掛けて浄霊するわけです。そうすると非常に気持が良いのです。」 (「御教集22号」 S28.5.5)
「(中略)それから、よく足が吊るとか足の悪い人は、腰に溜まったものが両足の方に垂れて来るのです。それで薬によって、重い薬と軽い薬がありますが、軽い薬はももたぶとかももの外側です。よく歩き難い、転びやすいとかありますが、(中略)一切足のあがきの悪いという事はももの外側です。押すと固いです。大抵な人は固いですが、この固いというのは此処に毒が固まるのです。ですから此処を浄霊すると、ずっと工合がよくなります。
それから、これから下に行って膝に行くわけですが、今度は膝の裏手に行くわけです。ですからももの外側と、その次は膝の裏で、それからふくらはぎから踵、足首です。それで毒のごく重いのは足の裏に溜まるのです。だから足の裏をつくと痛い、足の裏が痺れるという人が偶々ありますが、それは実は頭の毒が溶けて足の裏まで行くというわけなのですから、実に想像もつかないくらいです。」 (「御教集22号」 S28.5.5)
「(中略)婦人の病気については、(中略)やっぱり根本を知っておかなければ駄目なのです。それで今言った頭の毒が下がって来て、一旦腰に集まって、男は痔になりやすいのです。ところが女の方は腰に溜まった物が、痔の方でなく前の方に行くのです。これだけが男と違う所です。
ですから女の方が便利と言えば変ですが、排泄の管が大きいだけに非常によいのです。男の方が厄介なのです。男の方は出血と言っても非常に重く見られますが、女の方は平気なものです。そういう点から言っても非常によいのです。ところがそれを知らないために神経を起こしたりしますが、女のコシケというのはごくよいわけです。
そのコシケを悪いと思って止めたりするのが今までの医学の考え方ですが、それはとんでもない間違いなのです。そういうようでコシケに出ればよいですが、コシケでなく出るのが困るのです。これはつまり粘膜にカタルを起こしたり、それからシコリのような物が出来たり、それが横の方に来て、股の方に固まって、足が吊ったりする事になるのです。
それからお腹がはるのです。それで凡て毒が下に下がって行って、お腹から足にかけて溜まって行くわけです。しかし頭だけでなく、いろいろと胸から下がって、心臓とか肝臓の附近などのも、やっぱり幾分下に下がります。だから下半身の病気というものは凡て毒が下がって溜まるというように思って居れば間違いありません。
その毒がお腹に溜まると膀胱を圧迫しますから、その結果小便が近くなるのと遠くなるのと両方あります。遠くなるのは膀胱の尿の出口の方に毒が固まって尿道が細くなるので、そこでそういうのは小便が遠くなるのです。それからそうでなく外部から圧迫するのは近くなるのです。それは膀胱が小さくなるからです。
それから腎臓の廻りに元気がないとか腰がふらつくとか力がないというのは、それが今度は腰の廻りに溜まって来ます。腰が痛いとか、直ぐにくたびれるとか、足が重いとか、よく不精と言いますが、女の人でもまめなのと億劫(オツクウ)がるのがありますが、億劫がるというのは腰から下が重いのです。重いという事は腰に一番固まりがあるのです。だから尾底骨の辺を狙って浄霊しますと、とても足が軽くなって歩きよくなります。
従って歩いて息切れのする人などは非常になおります。息切れが腰に関係があるという事は全然気がつかない事です。だから自分でもそうですが、少し足が工合の悪い時は尾底骨の附近をやると非常に足が軽くなります。それで婦人病の中で女が非常に怒りっぽくなったり憂鬱になったり元気が無く不愉快なようなのは、子宮の辺の原因が非常にあります。そこで腰のが溶けて前の方に出ますから、そこで腰と前の方と両方やるのです。そうすると非常に気持良くなります。(中略)」 (「御教集22号」 S28.5.6)
「(中略)婦人の病気は此処が最も原因なのです。だから女の魂というものは子宮にあるという事はよく言われますが、全くそういう訳です。男は睾丸という事になってます。男の魂は睾丸という事になってます。"あいつは全然金玉がない"とか言いますが、これが一番肝腎なものです。
それで頭と婦人の局部とは非常に関係があるのです。よく子宮内膜炎とか実質炎とか子宮筋腫、卵巣膿腫というものの毒は何処から出るかというと頭からです。それで女は頭の毒が腰に行って、腰から前の方に行くのです。男の方は多くそれが痔になるのです。ですから痔は男の方が多いのです。男の痔もみんなこれですから、痔をなおすには頭をやればよいのです。
それで一番肝腎なのは後頭部です。前頭部の毒も、後頭部から前頭部に行き、又前頭部が溶ける時も後頭部から下がってくるのです。そういうようで、つまり人間の体というものは天地になっているのです。だから一番肝腎なのは、男でも女でも、此処から一旦腰に来ます。尾底骨の附近ですから、其処を浄霊すると下半身の病気は大抵なおります。
面白いのは、足の悪い人は腰をやるのです。足は腰から分れているのですから、つまり足の因が腰になってます。だから足が歩きにくいとか重いとか、くたびれやすいというのは、足をやらないで腰をやるのです。そうすると実によくなおります。腰からずっと下に下がって足が悪くなるのです。その場合に鼠蹊腺、股から足の外側に毒が固まります。それから膝の裏に行きます。それからふくらはぎから足首に行くのです。それが急所ですから、足のあがきの悪いというのは、ももの外側がちょっと固いですから、其処をやると一番よくなおります。(中略)」 (「御教集22号」 S28.5.7)
「(中略)それから頭を溶かしますが、これが痰になるのは早いもので、間発を入れずに肺にはいって出ます。それから股(マタ)とかお腹をやると、すぐ溶けて腎臓に行きますが、この速さは一秒の何分の一という速さです。その場合には管とか筋とかは通らないのです。一ぺんにパッと来るのです。これは霊的に来るのです。そうしてそれが物質に変化するのですから、実に神秘なものです。
何処かがちょっと痛いとすると、その痛いと感じるのは頭ですが、それは一秒の何分の一か何百万分の一か分らない速さです。痰もそうです。何処かで溶けるとパッと肺に来るのです。そして肺から出るのです。ですからこの辺の毒が痰になるのもすぐです。(中略)」 (「御教集23号」 S28.6.17)
「この前にも"結核を治すには肩をやるのが一番だ"という事を言いましたが、これは結核ばかりではなく、心臓病なども必ず左の肩が凝ってます。ですから心臓病はやっぱり肩の病です。この肩の固まりが少しずつ溶けて下に垂れて行って心臓の附近に固まって圧迫するのです。ですから心臓病は肩を主に浄霊すればよいのです。
それから胃病の人は必ず肩が張ってますから、それを浄霊すると必ず食慾が増すという事はそういうわけなのです。ただ肩に関係のないのは中風だけです。これはむしろ肩の柔らかい人が多いのです。というのは肩の柔らかい人は健康ですが、中風というのは健康な人ほど起こるのです。弱っている人には起こらないものです。結核で痩せた人というのは決して中風は起こるものではないので、中風というのは、かっぷくのよい脂(アブラ)ぎった血色のよい人に起こるものです。その代り中風の人は頸の廻りに必ず固まりがあります。それは右か左です。それから後頭部ですが、これも右か左にあります。つまり毒素が下に行くべきが、上に行って其処に固まってしまうのです。
これはその人の職業的の体の使い方によって其処に固まるのです。そうしてこれが急に溶けて来て頭の中にはいるのが脳溢血です。そうして右が凝っている人は左の手足がブラブラになるのです。中風だけは肩でなく、今言う頸の固まりです。そういう人はごく少ないので、一番多いのは結核、肺、心臓病、胃腸、それから今流行っている赤痢です。赤痢は何時も言うとおり後頭部の毒血が溶けて肛門から出るというものです。(中略)それから頭は、前頭部と後頭部とは違うのです。後頭部は赤痢か痔で毒素が出る順序です。」
(「御教集24号」 S28.7.5)
「(中略)ここで心得ておかなければならない事は、肩をやりますと胸が悪くなる事があります。胸がむかつくとか軽い嘔吐感があります。これは溶けたのが胃に集まって来るのです。そこで今度は其処を浄霊するのです。浄霊しなくても下がりますが、そうするとお腹が痛くなります。
ですから肩とか頸をやりますが、それが溶けると胸がむかつく事と、その次にお腹が痛くなる事があります。それを知っておかなければなりません。頸が悪いというのにお腹が痛いというのはどういう訳かという事を聞かれるが、それは溶けたものがお腹に下がって下痢になって出るのです。
男の方はそうですが、婦人の方は下痢でなく前の方から出る事があります。コシケとか、あとは皮膚の粘膜から出るのです。その場合にはピリピリするとか痒いという感じがあります。男は下痢一方です。そういうように心得ていると大体間違いなくゆくわけです。それが普通ですが、人によると腰に溜まる場合があります。これは腎臓ですが、薬毒は最初腎臓に集まって、腎臓が薬毒を処理する所です。ところが僅かしか出ないで、それが肩に行って固まるのです。
それで肩に行って固まる時と、それが腰に行って固まる事があります。それはその人の職業によるので、手を使ったり根(コン)をつめたりすると肩に固まるのです。それから農業をする人は非常に腰を屈折したり、坐る仕事でも腰に力を入れる人は腰に集まります。そうして腰に集まったものが少しずつ溶けて足に流れて行き、そこで足が悪くなるというわけです。脚気というのはそういうわけです。
それからよく足が吊るとか、痺れるとか、だるいとか、膝がガクガクするとか、凡て足に関係したのは、一旦腰に集まったものが足に流れて行くのです。ですから足に関係したのは、まず腰の中心、尾底骨(ビテイコツ)を狙って背面から浄霊するのです。そうすると足をやらなくても足がずっと軽くなります。
それからこのことが息切れに関係するのです。というのは腰から足が悪い人は、歩いたり坂でも上ると非常に骨が折れるのです。軽くゆかないのです。その軽くゆかないのが息切れになるのです。とに角心臓を大いに骨折るために、その力が心臓に影響するわけです。そのために息切れがするのです。この息切れという事は肺ですが、肺の呼吸が頻繁になる事です。というのは心臓は火で肺は水ですから、心臓が骨が折れると、心臓の火、熱が、肺を活動させる力が薄くなるので、肺の活動が悪くなるのです。そういう理窟になります。
こういう事もお医者の方では全然分りません。ただ部分々々で研究の結果を発表するに過ぎないのですから実に幼稚なものです。今話をしたのはごく大づかみの大体の事ですが、それが分っていれば、他の事はそれによって解釈すれば、元が分るから浄霊の場合でも非常にやりよいわけです。(中略)」 (「御教集24号」 S28.7.5)
「(中略)それから近眼、トラホームという目の病気は後頭部に必ず固まりがありますから、これを溶かせば盲目でも必ず見えるようになります。此処に固まっているのはやっぱり肩から来ます。此処に固まりがあって、こういうように肩から来ます。そういうように固まっている人で目の見えない人は随分あります。そういう人はまず目の後、と言ったところで中心がありますから、その交錯した中心の固まりをとれば必ず見えて来ます。ただそれを溶かすには相当かかります。これはできるだけ力を抜いて中心を狙ってやると幾分ずつ溶けて来るから見えて来ます。だから盲目を治すのも別に難かしい事はありません。(中略)」
(「御教集24号」 S28.7.17)
「(中略)それから足や腰の悪い人で、頸をやってから良くなる人も沢山あります。」 (「御教集24号」 S28.7.26)
「(中略)それからもう一つ肝腎な事は腎臓から背中にかけてで、肩胛骨の間から脊骨の両側に土手の様になってゐる奴が曲物で憂鬱症、胃の悪い人はそこに原因がある。勿論この源は腎臓であり、又腰や腹の痛い人は腎盂が原因であり之は腎臓の少し下で横から圧すと大抵の人は痛むが、こゝに熱が出易いのです。腰、腹が痛んで転る様に苦しんでゐる人でもこゝをやればぢきに治ります。」
(「御光話」 S23.12.8)
「(中略)最初風邪をこじらし長びくと、其時医者は肺浸潤とか肺門淋巴腺とか結核の初期のようにいうが、患者は何ともない。何故かといふと、大体首の周りとか肩とかの毒といふものは肋骨、腋の下などにからまる、又臍の周り、腎臓などへ固まる。咽を使ふと咽喉へ、腕を使ふ人は付根へ、腰を使ふ人は腎臓などへ固まる。(中略)」 (丸の内中央亭御講話 S16.9.11)
「(中略)私の後頭部に瘤がある。原因は歯に薬をつけた、それが段々行つて、ここ(後頭部)に固まつた。それで、どうも頭の具合が始終悪い。一昨年から気がついて浄霊した処が、段々溶けて来て、今約半分位になりました。丸で、骨みたいに固かつた。オヤ、こんな処に骨が――妙だなと思つて、押しても痛くないですからね。この頃半分位取れて来たのですがね。
そうすると、最近眩暈がし始めたんです。相当グラグラしてね。之はおかしいな。何処に原因があるかと思つた。処が、ここ(後頭部)を溶かした為に、こつち(前頭部)に平均浄化が起つた。ははあ之だなと、ここ(前頭部)を溶かしたら、眩暈が大変良くなつた。そうしたら胸がムカムカして、今朝からここ(胸)をやつた。と言うのは、之(前頭部)が溶けて、胃に入つてムカムカしたのです。それで、今度はここ(胃)を浄霊した。そうすると、出掛けに便所に行きたくなつて、それで良くなつたんです。
之(後頭部)を溶かす時分もムカムカしたが、今日のはここ(前頭部)だからね。今度はここ(胃)に来て、それから便所に行つた。やつぱりそういつた軟らかい、臭いものでした。で、やつぱり之(後頭部)がこう(前頭部)来て、こう(胃)来ている。一寸そう言う事は誰でもありますから、ここらを溶かしてね。そうすると胸が気持良くなる。それは、之(前頭部)が溶けていつたんです。今度は、一部を溶かすと他の頭の部分に平均浄化が起る。それが、こつちに行つて、それが下に行く。まあ便利には出来てます。それで、之を溶かしてから、非常に食欲が出た。だから、之(前、後頭部)が食欲と関係があると言う事は、随分不思議なものですよ。」
(「御垂示8号」 S27.3.1)