C-⑧ 心臓性神経衰弱

 

4-①、薬の害について                                      利 尿 剤
「(中略)次に、利尿剤の逆作用も注意すべき問題である。先ず腹膜炎患者が尿水の為、腹部膨満するや、医療は唯一の方法として利尿剤を用ふるのである。それが為、一時は尿量を増し腹部縮小して、軽快又は殆んど治癒する事があるが、それは一時的であって、例外なく再び膨満するのである。

 

従而、復(マタ)利尿剤を用ひる。復縮小するといふ訳で、斯の如き事を繰返すに於て、終には利尿剤中毒となって、逆効果の為、腹部は弥々膨満し頗る頑固性となり、減退し難くなるので、医家は止むを得ず穿孔して排水するのであるが、その殆んどが結果不良で斃れるのである。右の如く利尿剤による逆効果の起った患者は、その利尿剤服用の多い程、治癒に時日を要するのをみても利尿剤使用は戒むべきである。

 

 又、睾丸水腫といふ、睾丸の膨脹する病気や、尿の閉止する症状等も、利尿剤の逆効果による事が多いのである。(中略)」

 

                 (「既存療法」明医二  S17.9.28)


「(中略)又此病気(腎臓病)に対しよく利尿剤を用ひるが之も一時的で連続するに従ひ逆効果を招き、慢性の原因となる。(中略)」

 

                 (「腎臓及び糖尿病」天  S22.2.5)

 

 

「(中略)又浮腫の場合もそうで、利尿剤を用いると一時は尿量を増すが、必ず反動作用が起って浮腫は前よりひどくなり、又利尿剤を用いるというようにこれも繰返す結果、愈々膨満甚だしく、止むなく穿孔排水を行うが、これも一時的で、遂には臨月より大きくなり、医師も匙を抛げるのである。(中略)」

 

                          (「種痘と薬毒」ア救  S28.1.1)