C-⑧ 心臓性神経衰弱

 

3-①、第一浄化作用と第二浄化作用
「(中略)故に私の方の治療では熱が出れば有難いといふ、之が根本である身体にあってはならぬ毒血がある。どうして毒血があるかというと、人間の身体は絶えず浄化作用が行はれてる。血液の循環により、浄化作用が序でに行はれる


一つ所へ汚いものを押し出す作用、一つ所へ寄せるというのは第一浄化作用である。肩が凝るというのは肩へ寄るのである。すると段々固まる。それを外へ出さなくてはならぬ。それが第二浄化作用である。


そして熱が出る。固まると風邪を引くといふ。熱で溶けたのが、肺の中へ入り、咳で痰になって出る。首へ溜ると溶けたのが鼻汁になって出る。それで水っ洟(パナ)が出ると軽くなる。風邪などすてておけば治るに決ってゐる。風邪位治りやすいのはない、治療すると早い。風邪は出来るだけ引くようにしなくてはいけない。今迄は風邪を引かないから、つまり掃除しないようにした。


風邪をたまたま引く、熱さましをのむ、冷す、湿布する、薬をのむ。本来薬はない。薬ではきかない。毒でなくてはきかない。良くきく薬とは、毒の強いものである。ですから、眠薬などは猛毒だからきく。(中略)」 (「丸の内中央亭御講話」 S16,9,11)




「(中略)茲で、浄化作用なるものを説明する必要があらう。抑々浄化作用なるものは、体内の不純物質ともいふべき然毒、尿毒、薬毒等が不断の浄化作用によって漸次的に或一定の局所に集溜し、凝結するのである。


そうして集溜する局所は如何なる所かといふにそれは特に神経を使ふ個所であって、その個所は後段に詳説する事とするが兎も角右の毒結の排除作用が発生する-それが病気の初めである。故に浄化作用を二種に大別されるので、一は-体内一定の局所へ毒素が集溜凝結する作用二は-一旦凝結した毒素を体外へ排除する作用である。


故に前者の場合では未だ大した苦痛はないから病気とは思はない。併し肩とか首とかが凝るといふ事はそれであって、次に後者である其凝りの溶解作用が起るので、それが感冒的症状である。即ち其苦痛が病気である。(中略)」

 

            (「病気の真因」明医一  S17.9.28)




「(中略)そうして陰化然毒は、人体不断の浄化作用によって各局部に集溜固結するので、その局所は主として背面腎臓部である。これが為その固結の圧迫によって腎臓は萎縮し、尿の排泄に支障を来すので、その結果として余剰尿毒が背部、肩部、首、頭脳、淋巴腺を初め、全身各部に集溜するのである。


勿論神経を使ふ所程、集溜固結するものである。その集溜固結の過程を、私は第一浄化作用といふ。次で右固結を解消排除すべき第二浄化作用が発生するので、その先駆として先づ発熱がある。それによって右の固結は溶解し、液体化し喀痰、汗、下痢、嘔吐、鼻汁等になって排泄さるるのである。


其場合、第二浄化作用は苦痛が伴ふので、その苦痛を病気と称するのである。従而此意味に於て、病気なるものは実は天恵的浄化作用であって、これによって健康は増進さるるのである。(中略)」          (「結核と薬毒」 S18,11,23)




「(中略)先づ浄化作用とは如何なるものであるか、私は之を大別して第一と第二に分類する。第一浄化作用とは血液中にある種々の毒素が身体各局所に集溜固結するのである。集溜すべき局所としては、凡て神経を集注する局所及び人体静止の場合の下部である。そうして集溜毒素は時日を経るに従ひ、漸次硬化する。俗に凝りと名づくるのもそれである。此場合苦痛は全然無い事もあり、ありとするも肩の凝り位の程度である。


 次に、第二浄化作用であるが、之は第一浄化作用である固結が或程度を超ゆる場合、自然排除作用が発生する。その際排除し易からしめんが為液体化せんとする作用が即ち発熱である。発熱の高下は固結の毒素の性質と硬軟と量と患者の体質とに因るのである。


よく運動後疲労の結果往々発熱するのは、運動が浄化促進の役目をするからである。そうして液体化した毒素は、発汗、喀痰、鼻汁等によって体外へ排泄さるるのである。此場合の咳嗽は喀痰を排泄せんが為のいはば喞筒(ポンプ)作用ともいふべきものであり、又鼻汁を排泄せんが為の嚔(クサメ)である。故に咳嗽の後は必ず吐痰があり、嚔の後は必ず鼻汁が出るにみても明らかである。


食欲不振は発熱と吐痰と服薬の為である。頭痛及び節々の痛苦は、その部に固結する毒素が溶解し、液体となって排除されようとしての運動が神経を刺戟するからであり、咽喉部の痛みは喀痰中に含まれてゐる毒素が粘膜に触れる為、粘膜を刺戟し加答児を起すからで、声が嗄れるのも右の理によって声帯に加答児を起すからである。(中略)」         (「病気の真因」 S22,2,5)




   1、第一浄化作用


 人間の悪の心、言、行による罪が原因となって霊に曇りが生まれ、それが肉体に移写して血液の濁りとなったり、肉体に入った異物が血液を濁らせたり、先祖の冒した罪穢によって血液が濁る。それが人体の神経を使う局所に集溜して個結となる。この様に身体の神経を使う局所に、血液の濁り、つまり毒素が集溜して固結となる事を第一浄化作用という




   2、第二浄化作用


 体内にある毒素の固結がある程度に達すると、これを溶解排除しようとする働きが身体に起きる、これが健康体に復帰させようとする自然排除作用(自然良能力)であり、この固結毒素の溶解排除作用を第二浄化作用という。この時、熱や痛みを伴って毒素は液体化し、発汗、喀痰、鼻汁等によって体外へ排泄される