B-⑥ 咽喉(のど)疾患
⑥-5,咽頭結核
「此病気は声を使ふ人に多いので、最初、顎下腺から扁桃腺附近に膿が溜り、漸次深部へ拡大し、咽喉部に迄移行するので、其為に声が嗄(カ)れるのであります。段々進むに従って、食物を嚥(ノ)むのにも困難になり、水も飲めなくなって、衰弱して仆れるのであります。ちょうど喉へおデキが出来て、そして、其『おデキ』の頭へ物が触れるやうに痛むのであります。
之は本療法によれば順調に治ります。然し余り衰弱し過ぎてゐるのは困難ですが、「歩ける位の程度」だったら必ず治るんであります。軽症で一ケ月、重症で三ケ月位で全治致します。」
(「喉頭結核」療講 S11.7.)
「喉頭結核、むせるのと声が嗄れるのと両方あり、物をくってもつかえたり、痰が出たりする。」 (特別講習会御講話 S15.11.9)
「次に咽喉疾患であるが、(中略)咽喉結核を説く事にする。之は最初淋巴腺結核が漸次拡充移行し、遂に喉頭部から発声機能に迄及ぶのである。之は私の治療の頃確実に全治したのであるが、医療に於ては不治とされてゐる。そうして重症になるに従ひ口腔閉塞し水さえ通らぬやうになって衰弱死に到るのである。
然乍ら何故に淋巴腺結核が喉頭結核にまで発展するかといふと、それは初め淋巴腺附近に固結を生じ浄化作用が起るや極力浄化抑止を行ふので還元固結するから、淋巴腺へ集溜すべき後続毒素が集溜し得ないで其隣接部へ集溜し、漸次移行して喉頭部迄犯す事になるのである。
然るに最初淋巴腺部に固結発生し浄化の発った場合、放置しておく時は漸次膨大し終にそれが発熱と共に倍々腫脹膨大し紅潮を呈し、丁度トマトの如くなるのである。
此際医師は大抵手術を行ふが、其手術は非常に悪いのであって手術の為に折角集溜しつつあった深部の毒素の集溜が停止されるので、手術によって排泄されたと思ふ毒素は全部ではなく必ず若干は残存するのである。其證左として手術によって一旦治癒しても其局所に永く痛みが残り、又は隣接部に間もなく亦腫脹が出来るにみても明かである。
斯ういふ誤謬によって生命を失った患者の実例を書いてみよう。それは四拾歳位の男子であったが、最初、淋巴腺部に固結が出来、それが発熱と同時に腫脹し始めた。それで早速、専門の病院で手術を受けた。手術の疵が治癒しない中、隣へ腫脹が出来、それを復手術した。復隣へ出来た。また手術した。
そうする中、最初右だけであったのが、今度は左へ出来た。又手術し、また出来るといふ具合で、そんな事をしてゐるうちに段々衰弱した。そうして右の如く、極力浄化作用の抑止をするので、毒素が外部への排泄作用を止めて、畢に内部へ集溜膨大するやうになった。それは口腔内から咽喉へかけて腫脹甚しく終に咽喉部は腫れ塞がり、呼吸不能となって生命を失ったのである。
然るに、如何に腫脹が膨大しても、猶放任しておく時は、漸次赤き球状となってブラ下るのである。丁度此際は赤き風船が下ってゐるやうである。斯うなると間もなく自然に穿孔され、膿汁は驚く程多量に排泄されて、非常に速かに治癒するのである。
そうして斯様にして治癒すれば、何等痕跡が残る事がないのみか、全部排毒されるから再発はないのである。然るに手術で治癒した場合、必ず痕跡即ち、生涯醜い引吊りが残るのである。之によってみても、自然療法が真理である事を知るであらう。」
(「耳鼻疾患」明医二 S17.9.28)
(「耳鼻咽喉疾患」天 S22.2.5類似)
「又肺結核の末期に、よく喉頭結核が起る事があるが、之は悪性で治癒し難いのである。それはその頃は衰弱が極度に達してゐるからであって、医家に於ても、右の如き場合、最後の宣告を下すのである。」 (「耳鼻疾患」明医二 S17.9.28)
「(中略)喉頭結核とは腐敗せる古き痰の猛烈なる毒素が咽喉を通過する為と喉頭附近の毒結に浄化発生の為とであり、腸結核は曩に説いた如くである。」 (「結核の経路」天 S22.2.5)
「(中略)喉頭結核も(粟粒結核と)同一の理であって、喉頭結核者の特徴である声が嗄れるのは、声帯弁膜に喀痰の猛毒が触れ、粘膜にカタルを起すからである。」
(「結核の原因」自叢一 S24.6.25)
「次に、結核に関聯した病気に喉頭結核がある。之は結核の末期に発生するもので、特異性としては声が嗄れる事と、食事の際咽喉が痛み、嚥下困難になる症状である。此原因は痰が咽喉を通る際猛毒痰である為、気管や咽喉の粘膜を刺激し加答児を起すからで、此痰は最も古く、腐敗の度も強いのである。
だから痰の出る間は仲々治らないから先づ見込はない。而も此時は衰弱も酷くなってゐるからでもあり、医師も喉頭結核と判るや、必ず匙を抛げるのである。」 (「肺患と薬毒」文創 S27.)
「(中略)それで頸の中にも急所があります。喉頭結核は此処のが溶けて、溶けた物が肺にはいって行って、肺から出る場合に痰に毒があるから、その刺激で咽喉が痛んだりいろいろするのです。それで物が呑み込めなかったり、声が枯れたりするのは、みんな咽喉結核と言いますが、これは頸の廻りの毒が一旦肺にはいって、その痰に毒があるというものです。又頸自身の毒のために喉頭結核になるという人もあります。(中略)」(「御教集24号」 S28. 7.16)
「(舌の奥(喉仏)に小豆大の疣の様な物が出来、呼吸困難なため本人は咽喉結核の様に思ひ込み・・・)
浄霊すれば必ず治る。治らぬとしたら霊が通らぬのである。之は腫れであるから簡単に治る。喉頭結核は少しづつ悪くなるものである。結核ならば古くやっている教導師に頼む。」
(「講補」S24.6.28.)
《浄霊》 首の回り、頸部淋巴腺附近、顎下腺から扁桃腺、
咽喉附近、肩、
有熱部を探査(頭も)