⑨ 浄霊における注意事項 7-⑨-1,患者の取扱について
「(中略)其前に先づ最初、患者を扱ふ上に於て参考になる事をお話致しますが、医者の方では大体打診、聴診及び五指の圧診であります。
聴診の方は音を聴く訳で大体肺病のラッセル(ゼーゼーした音)などを聴くには都合よく、打診の方は肋膜に異常があるかどうかを診る等が重で、叩いてみて音がカンカン言へばいいが、水が溜ってゐるとボクボクといふ音がするのであります。
又、お腹を手や指で圧すのですが、吾々の経験から言ふと此圧診が一番良いので、之はお腹ばかりでなく何所でも圧診する必要があります。何故なれば、例へば腹膜炎などの場合、其原因は多く腎臓や肝臓にあるのですから、此肝、腎の部を圧して病原を発見するのであります。本療法に於ける病原発見は実に正確であると思ひます。
然し茲で心得置くべき事は、取締規則に依れば、療術行為者は病気診断は出来ない事になってゐる。只患者の苦痛である個所を治療する丈しか許されてゐないのでありますから、それらの点を充分心得て善処されたいのであります。
私等が新患者に対する場合、先づイキナリ額へ手を宛てる。そして熱ければ必ずそこに毒血がある證拠です。そういふ人は頭が重いとか、眩暈がするとかいふ症状がある。
次に、両方の顳(コメカミ)へ手を宛てると熱い。斯ういふ人は必ず頭痛がするのであります。
次に、眉毛の部を押してみて痛い人は毒血がそこに溜って居て眼に異常がある。
上瞼を押して痛い人は確実に眼病になってゐる。それは眼球に毒血が溜結してゐるからであります。先づ、病原発見は斯ういふ工合なのであります。」 (「患者取扱」療講 S11.7.)
「(中略)胃痙攣の激痛と雖も、その激痛部だけの治療では効果は少ない。其場合背部を診れば左右何れかの肩胛骨と脊柱との中間に必ず固結がある。その固結を治療するや忽ち胃部の激痛は解消するのである。然らば右固結は何であるかといふと、之は薬剤の固結したもので、服薬を持続し仰臥する関係上、胃の後方から滲透背部へ沈澱固結したものである。(中略)」
(「治療に就ての注意」天 S22.2.5)
「治療に就ての個々の注意を挙げてみるが、人間を霊と体に区別する時、背部は霊にして腹部は体に相応するのである。従而霊主体従の法則により、凡ゆる病患は背部が重要であり、背部の治療をよく行はなければ真の効果はないのである。即ち背部の毒素が溶解しただけ前部の病患は軽減するのである。
又湿性腹膜炎に於ける膨満も、化膿性腹膜炎の膿結も、背面腎臓部を治療する事によって奏効するのである。其他心臓、肺、胃腸に関する疾患も、凡て背部を主に治療すべきである。
次に、人間の健康不健康を判別するに就て最も明確に知り得る方法として、先づ肩部を診る事である。肩部が柔軟で、指で圧して指頭が一寸位没するやうな人は必ず健康であるが、肩部が硬く柔軟でない人は不健康と断定して差支へないのである。結核者は例外なく肩部は固く、重患者と雖も肩部柔軟者は恢復し易く、軽病者と雖も肩部強堅者は恢復困難と共に、強浄化発生し易く、其為生命の危険は免れ得ないのである。故に理想的健康診断法として肩部を診る事こそ、正確であり簡単である事を世人に告げたいのである。
次に頭痛の場合は必ず前額部に熱発を認めるが、その部を治療してもあまり効果のない事がある。其場合耳下腺を主とし、淋巴腺へかけて大抵は人は固結があるから、其処を治療する事によって忽ち解熱、頭痛は去るのである。故に頭痛以外の一般発熱者に対しても耳下腺、淋巴腺、扁桃腺部等を一応指査すれば必ず大小の固結を認めるから、それを治療する事によって解熱する場合が多いのである。
次に、腕、指等疾患の場合、その本原である淋巴腺から肩、腕の頂部に当る所を充分治療すべきである。それによって手指と雖も、その治療が容易に奏効するのである。従而脚に関する疾患も右と同様、その根原である腎臓部、脚の付根等をよく治療すべきである。」 (「治療に就ての注意」天 S22.2.5)
「浄霊が効くと痛い。効かないと苦痛も起らぬ。痛くとも間もなく治るので、なくてはならぬ。起った浄化を一層溶かす力が不足している。治癒力の中位の人などそうである。速力の峠のようである。今少し辛抱すれば峠を越す。(中略)一日に何回でもよい。続けてやれば速く痛みがとれる。数によって霊力が強いと同じ意になる。」 (講話集補 S24.5.6)
「急所に当てる方が治り易い。観音様や大先生に縋る事は悪くはないが、余りしつっこくなると自力になって了ふ。要は自分は観音様の道具だといふ想念で御浄霊をすればよいのです。霊にも体にも余り片寄らない事が大切であり、治病の一般原則は霊を患者の体に深く入れてやる事です。例へば胸をやる場合は背中を狙ってやる気持で御浄霊すればよい。もう病人に治病力があるのだからそれを利用したらよいのです。」 (「御光話」 S23.12.8)